第1回広葉樹(ヤマザクラ)の植栽・育樹技術研修会

開催日時:令和7年5月11日(日)
場  所:長崎市高島町 TAKENOEN活動地の広葉樹林
参 加 者 :TAKE NO EN、一般、樹木医講師

内  容:基本の植栽・育樹をテーマに樹木医の講話を参考に実際に植栽をおこなう。

令和7年度第1回技術研修会を開催しました。テーマは「植栽と育樹」です。
森林ボランティア団体TAKE NO ENから12名、一般から2名参加された今回の技術研修会。
講師に長崎県樹木医会の久林高市氏をお招きし、植樹・育樹の講話から、太陽の光が当たる環境改善の為、伐採や基本的な植栽まで盛り沢山の研修会になりました。


植栽場所はTAKENOENが整備する高島町の広葉樹林で、海に近い場所である為、潮風が強く通常であれば桜は育ちにくい環境にあります。そこで耐潮性の比較的高いヤマザクラを選出し、直接海風の当たらない場所を選び植栽することにしました。


まず下草刈りをし、苗木の成長しやすい環境を整える為、周りの木を除伐し、地ごしらえと言われる取り残された木の根や枝などを整理する作業を丁寧に行います。
次に植え穴を掘り、肥料を入れ、酸素が多く含まれる表皮の土を被せてから根鉢を覆っている麻布・麻紐を取り除いて苗を植えます。この際、植穴の深さは苗木の根鉢の厚みと同じくらいの深さにします。
深すぎると二重根っこと言われる状態になり、首が絞まったような状態になるため、根の活動が抑制され樹木が衰弱する原因となるそうです。他にも苗木が1mを超えているが根は小さめの今回のような場合は、葉の蒸散が活発になって苗木の成長を阻害するので葉の剪定をして根が活着し、代謝が活発になるまで根と葉のバランスに十分留意することなどの説明がありました。


最後に支柱をしっかり立てて作業は終了しましたが、久林氏からは「植樹は植えたから終わりではなく、人の子と同じように手をかけて幼い頃から適切にサポートすれば、ある程度の大きさからは自ら真っ直ぐな木に成長していくので、今回植えた桜も手をかけて見守ってほしい」とのお話が印象的でした。

TAKENOENの参加者からは「穴を掘って植えるだけと思っていたが目から鱗だった。とても勉強になった。」との声が多く聞かれました。
TAKENOENの整備は今秋に再開されるそうです。「桜が咲いている所を想像して作業するのが楽しかった」とアンケートに書いてくださったメンバーの方が仰るように私達も桜が咲くのが楽しみになりました。


ご協力いただいた、TAKENOEN代表の内藤さんはじめ、メンバーの方々、苗木を提供してくださった川瀬さん、そして快く講師を引き受けて下さった樹木医会の久林氏に改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。